『犬のうた』ライナーノーツ
1. わんわんわん
犬と暮らしていると、たとえ言葉は通じなくても
目や表情で気持ちが分かるようになりますよね。
それでもまだまだ不思議なことがいっぱい。
ましてや映画に出て来るような美しい毎日じゃありません。
はちゃめちゃで。
しっちゃかめっちゃかで。
汗だくで。
優雅とはほど遠い毎日。
せわしなく過ぎていく日々。
そして、そんな人間の苦労はよそに
白目ひんむきながらガーガー寝る我が犬・・・
とほほ。
犬は犬。
ひたすら運命を全うしているだけ。
犬と飼い主のドタバタ劇。
パーカッションの鳴り響くジャジーなアコースティック調アレンジが
アレンジャーのホセ山西氏によって洗練されたアーバンサウンドに生まれ変わりました。
犬の扶養控除を認めて欲しい、という切実な願いのこもった
ちょっぴり大人なラップです。
2. Get Ready
最初は「おさんぽのうた」というサブタイトルがついていたこの曲。
まさに「おさんぽ」と「出会い」がテーマです。
犬にとっての一日の二大イベント。
「食べること」と「おさんぽにいくこと」。
おさんぽルンルン。
おさんぽワクワク。
たまらなくて、ホントに。
うれしすぎて、ホントに。
そりゃー思わずお尻をふってしまうってもんです。
もし私が犬だったら。
「おさんぽ」と聞いた途端、間違いなく
「イェイ!イェイ!イェイ!イェイ!イェーーイ!」
と叫んでいるに違いない。
軽快なポップス。
是非おさんぽのお供にして頂きたい曲です。
3. 恋のうた
静かで優しくて、でも少し切ないメロディを聴いて
すぐに、愛しい人の帰りを待つ犬の姿が浮かびました。
一日中あなたのことを考えていました。
名前を呼んでくれるかな、抱きしめてくれるかな。
笑ってくれるといいな。
悩みごとがあるのならボクに言ってよ。
遠くまで運んでいくから。
ひとりじゃないよ。ボクがいるよ。
いつもとなりにいられたら
それだけで幸せなんです。
見つめる瞳。
心の中は愛しい人への想いでいっぱい。
それはまさに「恋」でした。
ただただ一途に想い続ける犬のピュアな気持ちを詩にしました。(fuji)
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この曲は、最初のデモ段階ではギターとオルガンがメインの
どちらかと言えばシブめの作りだったのですが、
fujiの書いてくれた歌詞がとてもかわいい感じだったので、
メロディーも少しずつ変えて、アレンジも最終的には
ピアノメインの正統的なバラードという感じになりました。
どこか懐かしい、ノスタルジーあふれる素朴な楽曲になりました。(miki)
4. 犬の光
「こんな嬉しい日常は、3年前には知らなかった」
犬と暮らしはじめて感じたことをそのまま詩にしました。
もっと「犬」が中心の生活になると思っていました。
でも気がつくと、私たちの生活に自然に寄り添っていました。
私たちと同じリズムで同じ気持ちで暮らしていました。
朝は起きるのを静かに待って、
留守番とわかると諦めた目をして、
沈んでいると静かにそばにいてくれて、
名前を呼ぶと笑って振り向いて。
どれだけ笑顔が増えただろう。
どれだけ助けられただろう。
どこまでも優しくて温かい。
彼は我が家の光です。
歌詞として初めて書いた、セオリーを無視した自由奔放な詩に
mikiがメロディをつけてくれました。
夜中に送られてきた出来たてのデモを聴いた時、
驚くほど私の気持ちにピッタリで、
嬉しくて何度も何度も繰り返し聴きました。
さらに感受性豊かなカッコいいアレンジにより
優しく切なく熱いロックテイストに仕上がった「犬の光」は
私の大切な大切な宝物になりました。
そして3歳だったうちの宝物も5歳になりました。
当たり前のようにそこにいてくれる日々に心から感謝の毎日です。(fuji)
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この曲はfujiの書いた詞に私が後から曲を付けたものです。
犬と暮らす毎日の中から生まれた歌詞、
fujiが綴る犬への思いをピュアなまま表現しようとトライしました。
愛らしいけれどちょっぴり切ない、そんな心を歌うメロディーになったかなと思います。(miki)
5. Furry Angel
ふわふわの天使。
神様からの贈り物。
その天使は決して多くを望んではいない。
大好きな飼い主と最後まで一緒にいたい。
ただそれだけ。
「今、この時を生きる」
愛犬ゴールデンレトリバーの闘病中に書いた曲。
成犬里子の彼はちょっぴり寂しい目をしていました。
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人間の勝手で飼育放棄されてしまった犬。
自分の知らない彼の過去。
その空白時間を埋めるように
老犬の彼と穏やかな時間を過ごすのを楽しみにしていました。
ボール投げが大好きでした。
海が大好きでした。
ちょっぴりすっとぼけた性格でした。
面倒見のいいお兄ちゃんでした。
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いつも2頭でくっついていました。
癌の場所が悪く、手術は不可能でした。
抗がん剤も効かないタイプで民間療法に頼るしかありませんでした。
輸血、カテーテル装着、呼吸器設置。
下半身麻痺による垂れ流し。
日に日に弱って行く彼の姿に打ちのめされる一方で
これは老犬になれなかった彼が私に与えてくれた
最後のプレゼントの時間なんだ、と無我夢中で自宅看護を続けました。
点滴をするとだいぶ楽になるようで、
毎日10時間ほどかけながら自宅で点滴を行いました。
そんな彼の姿を見ながら、
点滴の針がズレてしまわないように見張りながら
書きあげたのがこの曲です。
神様の元に戻って行った彼にこの歌を捧げます。
6. キミと歩く道
いつまでも若いと思っていたら、
ウチの犬もいつの間にかいい年になっていました。
子犬の頃仲良くしてくれていた犬達の中にも、
一足早く空に昇って行ってしまう子達が。。。
いつもと変わらない毎日だけど、
確実に時は過ぎていっているんだなぁ。
そんな事を思うとなんともさみしくて、
どうかいつまでもこのまま一緒にいてほしい、
そんな思いが自然とメロディーに乗り、口をついて出てきました。
「このまま時が止まればいい…」
そうやって出来上がったのがこの歌です。
でも、悲しい歌ではありません。
さみしい歌でもありません。
なぜなら、この道は、どこまでも、永遠に、続いていくのだから。
たとえ、この世での命が尽きてしまったとしても、
そんなのは終わりじゃない。
ずーっとずーっと、一緒に歩いて行こうね。
どこまでも一緒だね。
だから、たのしい歌なのです。
歌詞もメロディーも、ポジティブで明るい歌です。
みんなで一緒に、お空にいるあの子達も、
みんな一緒に、輪になって踊っているイメージです。
メインを取るfujiのイノセントな歌声が心に染み入る、
ステキな歌に仕上がりました。
7.〜ミュージカル「ポチの家族」より〜 ヘアピース
犬の命は短くて。
だから犬の映画や物語は涙ナシでは見られない。
でも本当は犬との暮らしは底抜けにハッピーで。
毎日が笑いの連続で。
喜び、悲しみ、切なさ。
犬を取り巻く感情は色々あるけれど、本来犬は涙ではなく
笑顔を運ぶために我々の元にやってきたに違いない。
笑顔をもたらす犬物語、という発想から
サンポイコオリジナルミュージカル
「ポチの家族」の制作が始まりました。
今回はその中からお父さんにフォーカスした歌を
ボーナストラックとして収録しています。
どこにでもいる日本のお父さん。
朝から晩まで家族のために一生懸命働いて、
なのに家では虐げられている可哀想なお父さん。
そんなお父さんの心の支えとなっている愛犬ポチ。
ある日、お父さんは疲れて電車で寝てしまうのですが・・・
ありゃりゃ。
働く日本のお父さんに愛を込めて。